瀬戸内海に黒潮が流れ込んだ影響と潮位の高い時期が重なったため、世界遺産に登録されている広島県の宮島の厳島神社では、29日午前、国宝の回廊が海水につかり、一時参拝ができなくなりました。
厳島神社がある広島湾は、瀬戸内海に黒潮が流れ込んだ影響と潮位の高い時期が重なって、海面の高さが平常よりも20センチから30センチほど高くなりました。世界遺産に登録されている宮島の厳島神社では、満潮時刻より1時間ほど前の29日午前10時前から国宝の回廊が海水につかり始め、満潮の時刻になると回廊はすっかり海水に覆われて場所によっては20センチほどの高さまで海水につかりました。このため、厳島神社では、回廊などの周辺に土のうを積むとともに、午前10時前から潮が引くまで2時間余りにわたって参拝を中止しました。秋の観光シーズンを迎えた厳島神社には、29日も大勢の観光客が訪れていて、観光客の1人は「参拝できず残念ですが、こういう風景もなかなか見ることができないのでよかったと思います」と話していました(NHK)